京城日報1939年10月1日付より引用 上戸党よ心配無用 “湖南の酒”は健在

1939年10月1日付京城日報より引用

 この年の4月には米穀配給統制法が施行され、米の流通に対する政府の直接的な管理統制が始まり、白米の精米度の低下が奨励された。それらによる影響や、その背景にあった朝鮮・台湾での白米の消費増加による内地流入量の減少についてなど、この記事から読み取ることができる。

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上戸党よ心配無用

“湖南の酒”は健在

減醸も精白低下も潔く國策へ

 

【光州】戦時食料確保の建前から朝鮮酒造組合中央曾では去る廿六日の統?委員会での半島清酒の醸造を二割減石し原料米の節約から精白米は最高三割五分、平均二割五分程度に止めることを決議し、今年の仕込みから実行に移すこととなったが、この減醸と精白低下は光州?務監監督局管内の“湖南のお酒”にどう響くか

 

全羅南北道一ヶ年の酒造高は十三年度が一萬三千九百三十八石であるが、今次の二割減醸によって一萬一千石足らずとなるわけで、従って酒造季節を控え湖南の業者はいづれも原料米の買入れ、社氏の雇用など総てを手控へ算盤を内輪に弾いて、やがて興亜の春を楽しみに専ら自粛の構へをとっているが、一方聖戦完遂のため一本の晩酌を敢然二勺、三勺に引下げた上戸党にとって気になるは搗き減らしによるお酒の味である。堪らない黄金色の魅力を失ったウォッカに近い淡色、アルコール含有量の減少に正比例していやに辛っぽい安酒の味といふのが大きな二つの悩みとなっているのだ、だが、ご安心なさい、光州監督局選定課では精白度低下が地酒におよぼす影響について次の朗らかな答へを上戸党に贈っている。

最近は酒造技術が進歩しているので品表曾以外のお酒は二割五分の搗き減らしならば品質が際立って低下するといふことはありません。少なくとも来年一ぱいは芳醇な湖南の銘酒で興亜の力を培へることでせう