大阪朝日新聞朝鮮版(昭和8年4月5日付)密航者滿載の怪船捕はる
密航船が出発した慶尚南道東莱郡沙下面は、洛東江の河口、左岸にあり、釜山港や中心市街地のある東区の西に位置しているが山地で隔てられている。現在では釜山広域市沙下区となっている。
ここでは密航者を募集するブローカーは朝鮮人、密航船舶を提供し操船するのは船主の日本人である。また、記事中に「僅か十五トンの発動機船で六十六名を乗せて」とある。トン数と乗船者数については、船の全長でも割と変わってくるので注意を要するが、現代の遊漁船では17トン(全長約15メートル)で30人程度、19トン(全長約26メートル)で50人というデータがある。これらのことから考えると、この大成丸は普段は物資運送や漁業に従事していた船舶ではないかと見られる。
船賃が一人5円若しくは11円という設定がよくわからないが、いちおう5円が24人、11円が42人で合計581円(残り6円の疑問はあるが)という計算はできる。
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- 大阪朝日新聞朝鮮版
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僅か十五トンの小船に密航者六十六名潜伏
【釜山】四日午前五時ごろ、釜山府南濱埋立地海岸に密航者が碇泊してゐるのを、釜山水上署片山刑事が探知し、署員の應援を得て大亂闘の末、首謀者を取押へた。
右は、長崎縣下縣郡雞知村、船長二神友一(四十三)所有發動機船大成丸(十五トン)で、慶南東萊郡沙下面海岸から密航勞働者六十六名を乘せて福岡縣に向かはんとしたが、暴風のため釜山港に避難したもので、密航ブローカー金永奉(三十)ほか二名の手により、勞働者一名から五圓乃至十一圓で、總額五百八十七圓をとってゐたが、僅か十五トンの發動機船で六十六名を乘せて玄界を横斷せんとした大膽さに、係官もあきれてゐる。
