群山日報(昭和4年6月19日付)農繁期だといふのに毎日三件を下らぬ

裡里は、全羅北道の北部、内陸部にある土地。現在は益山市に含まれている。この時期、内地への渡航を希望する者は、在住地の所轄警察署で、釜山水上署宛の紹介状を交付される必要があった。そのため、「毎日平均三名を下らず」という裡里署への出願状況が出ている。そして、そのうち「五名に一名」つまり20%が希望がかなって渡航を許可され、それらの状態は良好であるという。

金堤は全羅北道西部の沿岸部にあり、この記事では内地渡航の過熱により煙草の行商に従事する者が減ったように書いている。なおこの年の12月10日付群山日報「鮮人の內地渡航」には、「本全北道としては金堤淳昌方面にこれが志望者多く內地も福岡佐賀あたりの炭坑地を目ざして進出しつゝある樣な有樣」と記されている。


著作者:
群山日報
    Page 1

裡里署への内地渡航出願

不景気はつのる一方、かてて加へて旱害の影響が益々深刻化して來た昨今、鮮人の内地渡航熱は一向下火になるどころか、農繁期だといふのに現在でも裡里署に出願するもの毎日平均三名を下らず、同署高等事務の過半はそれにしめられるといった有様である。許可されるものは五名に一名の割であるが、旣往の成績によると、それ等渡航者渡航後の狀態は至極良好なる足跡を殘してゐる。いと金堤地方では、此の頃めっきり煙草の賣行商が激減した爲、頭痛鉢卷の所へ、㑹社から賣行商挽回に努力せよとの命に接した賣捌店では、こればかりは人爲的にどうすることも出來ないとこぼしてゐる。